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(注意)本記事は、金剛株式会社が2001年12月17日に発行した機関誌「PASSION VOL.28」の内容を、当時の記録として公開するものです。記事内の情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。
また、当時の社会情勢や倫理観を反映した表現が含まれている可能性があり、現代の基準に照らし合わせると一部不適切と感じられる箇所もあるかもしれませんが、資料的価値を考慮し、原文のまま掲載しています。掲載されている商品やサービスは、既に販売・提供を終了している場合があります。
本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。
■商品デザイン部門/パブリックユースにて受賞!
2001年2月に発表した新型のハイパワー移動棚(以下HPZ)が、(財)日本産業デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞で21世紀最初となるグッドデザイン金賞を受賞しました。
応募総数は1028社で2329点。様々な商品、施設が対象となりましたが、その中でも栄誉ある金賞をパブリックユース部門で受賞しました。

JIDPO 財団法人日本産業デザイン振興会金賞コメント
「業界最小サイズで最大の収納量を実現した収納システム。多機能化による差別化ではなく、移動棚としての基本性能を再検証することにより、インターフェイス部の操作性も含め分かりやすいシステムを実現し価値を高めている。ユーザビリティの追究を軸に基本性能の充実を図ることで、収納効率のみを重視した従来の移動棚とは異なるユニバーサルデザイン性を備えた完成度の高い収納システムを提案している。パブリック空間における収納スペースと作業スペースの新しい関係を作り出し、快適なワークスペースの提供に取り組んでいる点が評価された」
金剛では1996年より6年連続でのGマーク受賞。移動棚では1998年の丸ハンドル式移動棚SMZ型が金賞受賞して2度目。これで金剛は、手動(ハンドルSMZ)式と電動式(HPZ)の両方で受賞したことになりました。
産デ振が評価したHPZのデザイン
(財)日本産業デザイン振興会(JIDPO)がGマークの審査において、HPZに対しどのような評価がされたかピックアップして解説する。
1.解りやすさへの評価
評価の対象として、『解りやすさ』が取り上げられた。それは、誰が見ても操作や機能が外見上からも直感的に解るという点においてである。HPZの解りやすさは、操作面と、それを類推させるデザインによる。解りやすさは、外観上のデザインから与えられる部分が大きい。
操作スイッチの意匠(三角形)部分にある。矢印をモチーフにしたその三角形は色によって明確にされ、動作方向を連想させるものである。また、そのスイッチには操作中あるいは(通路に入って)作業中であることを示す点滅が、どの方向からもはっきりと見やすい大きさ、高さ、角度が設定されている。
死角の発生する移動棚の操作、作業においては、安全装置以前に操作中に対する表示装置が、いかに配慮されているかが肝要である。棚がどのような状態にあるのかが解りやすい点も評価のポイントである。
2.省スペースへの評価
少なくとも、移動棚の存在意義として空間の有効利用、収納スペースの効率化が挙げられる。但し、今回の『省スペース』とはそもそもの空間効率ではなく、棚自体の寸法を見直すことによるダウンサイジングが評価ポイントとなった。
HPZは棚構造を98年にグッドデザイン金賞を受賞したハンドルタイプのSMZと同様の構造を持ちデザイン上の使いやすさはそのままに、電動棚における電装品の配置スペースをミニマムにすることで、操作する人、即ち作業者に対しより広い空間を提供できることを狙ったものである。
同じスペースで、多くの棚台数を求める人、より作業スペースに広さを求める人、それぞれの考え方で導入のレベルを選択できるデザインの移動棚に対し、評価を頂く結果となった。
3.ユニバーサルデザインへの評価
『ユニバーサルデザイン』とは、人々(即ち様々なハンディキャップを持った人々や、国籍や性別、年齢を含めた様々なギャップを内包した状態を意味する)の利用を踏まえた空間設計や製品デザインされたことを言う。HPZはその点で評価を受けた。
そもそも先にあげた二つの評価ポイントは、それぞれ棚自体の基礎的性能を向上させると言うところから導き出されている。そこに、デザイナー、ポール・イエンセン(デンマーク)と東 俊宏(金剛(株)環境科学チーム)がデザインしたその意匠は、先の2つのポイントを纏め上げ、使いやすい、解り易い、棚としての機能を損なわない形として出来上がった。正に、ユニバーサルデザインを体現した移動棚として評価を頂いている。
21世紀に送り出す移動棚として、新たな基準となったHPZ。様々な人々の社会参加にバリア(障壁)とならない点では、これまでの移動棚の性能としては(当社でも、また他社においても)新たなアプローチから構築されたものと言える。
写真:デザイナーポール氏・東社員

4.総括
審査会からは「コンセプトが明快で新規性がある。ユーザーの立場になり設計されている。機能面・セキュリティー共に充実している。総合的に高い完成度を持っており、良い製品として評価された。」と言うコメントをいただいた。また、調査項目においても、
- 『デザインプロセス、マネージメントが優れている』
- 『デザインの総合的な完成度に優れている』
- 『システム化による解決を提案している』
- 『長く使えるデザインがなされている』
と言ったポイントが特に高い評価であった。それぞれの項目は、移動棚に対する基本的内容ながら、新たなアプローチで取り組んだ製品であったことをご理解いただき、今回の受賞結果になったと受け止めている。
受賞の経歴
今年で6年連続となるGマークの受賞。そのうち金賞は3年連続を含め、4度目の受賞となった。
ここでは、過去の受賞製品を振り返る。
◇過去のGマーク受賞
- 1984-1985年(昭和59年度:Gマーク選定)
- 図書館用水 混合書架 Libra Series
- 1996-1997年(平成8年度・教育用品部門:金賞)
- 図書館用 閲覧机
(同8年度:Gマーク選定) - 図書館用 閲覧椅子
- 図書館用 閲覧机
- 1997-1998年(平成9年度・教育用品部門:金賞)
- 児童用組み合わせ家具 PUZZLE(パズル)机/椅子
- 1998-1999年(平成10年度・教育用品部門:金賞)
- 図書館用収納システム
- Space Mover(スペースムーバー 丸ハンドル式移動棚)
- 1999-2000年(平成11年度・中小企業庁長官特別賞)
- 耐火金庫
- 金剛スーパーセーブGシリーズ (W100)
- (同11年度: Gマーク選定)
- 図書館用展示システム
- DP2001ピアッツア
- 2000-2001年(平成12年度:Gマーク選定)
- 耐火金庫
- 金剛スーパーセーブGシリーズ 900P
- 2001-2002年(平成13年度・商品デザイン部門/パブリックユース:金賞)
- ハイパワー収納システム/Hi-Power (HPZ)


(2001年12月17日刊行)