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金剛株式会社

免震台その性能と特徴

京都国立博物館様 小型免震台

1  はじめに 

 免震台は、金剛が独自に開発したストレートレール構造を採用した応答性の良い(地震の揺れに対して反応が早い)製品である。「お客様にとって最適な地震対策とは?」「必要な免震台とは何か?」を検討し、極力無駄を排除してシンプルな構造とすることにより免震範囲が広く、免震性能の良いものであると考えた。その開発コンセプトとして

  • 【より広く:広範囲の地震に対応できること】
  • 【より強く:強固な構造であること】
  • 【より確かに:免震性能を充分発揮できる構造であること】

ことを目標に開発を行っている。一口に免震台と言っても市場に出されている免震台を含む免震製品には、一定の評価基準はなく、各社独自の評価を行い提案を行っているのが現状である。今回は、各タイプの市販されている免震台を同じ基準に従って性能評価比較を試みた。これにより得られたデータから各市販免震台の違いを説明する。

2  免震装置

  地震対策は、「耐震』と「制震」に大別され、「制震」の中に『免震』が含まれる。「耐震」は文字通り地震に耐える構造で、一方「制震」は地震を制御することになる。『免震』は震動を免ずることで、震動から守りたい「もの」と「震動する部分」との間に免震装置を取付ける構造となる。

免震装置表

3  転がり支承

  市販の免震台や免震床の主流となっているのは転がり支承である。主な転がり支承には、ストレートレール構造、片面円弧状レール構造、両面円弧状レール構造などの免震構造がある。  

転がり支承表

4  市販製品比較(転がり支承)

  転がり支承免震台の市販製品の中で主な製品を比較すると、免震装置や考え方、製品の狙い、などにより固有の特徴があることが解る。  

市販製品比較表(転がり支承表)
市販製品比較表(転がり支承表)

5  まとめ

  これまで説明してきた様に、同じ基本構造の免震台においても免震装置の構造や考え方(コンセプト)、ターゲットユーザーにより、性能重視、使い勝手や手軽さ重視、トータルバランス重視などがあり、性能においては、免震効果範囲重視、短周期重視、長周期重視などと様々な違いが出てくる。従って免震台だからと言って一概に皆同じと言う訳にはいかない。免震台あるいは免震床の導入を計画されているお客様は、貴重なものを地震の震動(エネルギー)から守ることを最低限の前提として計画される訳であるため、我々としては、お客様に本当に必要な性能・機能・運用を充分把握し、最新の情報を発信/提供することで、お客様に、より最適な提案ができる様にサポートしていきたいと考えている。 

6|納入事例

京都国立博物館様 小型免震台

京都国立博物館様 小型免震台

 大阪市立東洋陶磁美術館様 中型免震台

大阪市立東洋陶器美術館様中型免震台

その他の事例

左から小型免震台、大型免震台、大型免震台

文:池永 一郎(金剛株式会社CT本部 CTグループ) ※所属・部署は取材当時のものです

(2007年)