KONGO 総合カタログVol.10-2
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文化財IPMメンテナンス文化財IPMメンテナンスは、化学薬剤だけに頼らないで計画的、日常的に生物加害を防除し、総合的に管理していく方法のことをいいます。文化財害虫・カビの調査や監視(モニタリング)、清掃などの日常管理が求められます。1文化財害虫・カビを寄せ付けない効果的な清掃とクリーニング文化財害虫による被害は、■ 外部からの侵入■ 適度な湿気、ゴミなど文化財害虫の餌となるものがある■ 清掃しにくい場所、暗所などの条件が揃うと発生する傾向があります。カビを生やさないための基本的な対策法は、相対湿度を60%RHより低く維持することです。外壁、床面、空調機の冷気が直接あたる所などの結露しやすい場所は、特に注意が必要です。収蔵棚については、一番下の棚板は最低でも100mm、可能ならばそれ以上床面より高く上げると効果的です。文化財害虫やネズミが侵入するルートの遮断■ 建物の開口部や隙間より侵入してくる文化財害虫やネズミを防ぐ建物の開口部や隙間には、網戸や防虫ネットを付け、文化財害虫の侵入を防止します。■ 借用資料や新収蔵資料の受け入れ時に付着してきた文化財害虫の侵入を防ぐ■ 清掃を日常的に行い、文化財害虫の好物である栄養分・繁殖場所を除去する展示類や梱包類の資材の放置は、文化財害虫を誘引する要因となります。■ 水分の除去温度・湿度の管理結露の防止・・・外気の影響を受けやすい部分は、室内との温度差ができるため、結露が生じやすくなります。■ 室内に塵埃を持ち込まない収蔵庫など収蔵区画に入る場合は、塵埃を持ち込まないように出入り口に粘着マット、室内履きを設置するなど。早期発見が重要、またその記録は不可欠日常点検で早期発見し、拡大の阻止と対処を早い段階で行います。■ モニタリングトラップ調査動きまわる文化財害虫の監視を目的としています。文化財害虫の種類・数を採取日と一緒に平面図に書き込むことで、定期的に捕まる文化財害虫の種類・数を把握することができます。■ 目視で日常点検ライトを斜めから当てると、埃やカビが浮かび上がり観察しやすくなります。■ 専用機材で把握する◎浮遊菌調査 ◎落下菌調査回避 Avoid 2遮断 Block3発見 Detect梅雨の時期などの見回り結露を避ける外部床には湿気だまり100mm以上、上げる外壁に近い場所に、資材や収蔵資料、棚を置かない冷気の当たる場所に注意部屋の隅にも注意空気がよどむ湿気̶ 詳細は→P473 ̶̶ 詳細は→P486 ̶̶ 詳細は→P483 ̶̶ 詳細は→P483 ̶基本的な考え方と日常管理469KONGO FACILITY PLANNING

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