KONGO 総合カタログVol.10-2
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各種文化財保存のための温度と湿度各種写真資料の保存における適切な温度及び相対湿度約20℃(人間にとって快適な温度) フィルムについては、黒白フィルム21℃、カラーフィルム2℃(ISO規格)温  度相対湿度高湿度中湿度低湿度出土遺物(保存処理前のもの)防黴処理が必要紙・木・染織品・漆象牙・皮・羊皮紙・自然史関係の資料油絵化石金属・石・陶磁器塩分を含んだ物は先に脱塩処理が必要写真フィルム中期保存※長期保存最高温度℃(注1)相対湿度範囲%RH(注2)最高温度℃(注3)相対湿度範囲%RH(注4)プリント方式●黒白・銀方式●銀色素漂白方式●拡散転写方式●色素転写方式●顔料含有重クロム酸ゼラチン方式●ジアゾ方式発色現像方式カラープリントその他2525 ~ 501830 ~ 50252520 ~ 5020 ~ 502-330 ~ 4030 ~ 50引用:『保存科学44号 東京文化財研究所』2005年より抜粋引用:JIS K 7642(2007)『写真̶写真印画の保存方法』より一部抜粋引用:JIS K7644(2004)『写真̶現像処理済写真乾板̶保存方法』より一部抜粋注1.“任意の24時間当たり”の温度変動は±5℃以内、最高温度は規定の上限を超えないものとする。 注2.“任意の24時間当たり”の相対湿度変動は±10%以内とする。 注3.“任意の24時間当たり”の温度の変動は±2℃以内、最高温度は規定の上限を超えないものとする。下限は規定しないが、保存状態から外れた時の寿命短縮効果を考えると、-20℃以下にしても無意味である。 注4.“任意の24時間当たり”の±5%以内とする。 ※最低10年の寿命を持たせることを想定した期間※歴史的価値のあるプリントの保存条件については別途JIS K 7642付属書を確認されたい。 中期保存(注1)※長期保存(注2)最高温度相対湿度範囲最高温度相対湿度範囲現像処理黒白25℃25 ~ 50%RH18℃30 ~ 40%RH注1.“任意の24時間当たりの温度及び相対湿度”の変動は、それぞれ±5℃及び±10%とする。乾板内部の水分はこの相対湿度における平衡含水率を超えてはならない。 注2.温度及び相対湿度を組み合わせた条件で管理するのが良い。“任意の24時間当たりの温度及び相対湿度”の変動はそれぞれ±2度、±5%とする。乾板内部の水分は、この相対湿度における平衡含水率を超えてはならない。※最低10年の寿命を持たせることを想定した期間■材質に応じた温度と相対湿度の条件■現像処理済写真乾板■写真印画■フィルム引用:『博物館資料保存論ー文化財と空気汚染』佐野千絵、呂俊民、吉田直人、三浦定俊著 みみずく舎2010年■温度と相対湿度の変動が資料に与える機械的損傷の危険性評価引用:『文化財保存環境学』三浦定俊・佐野千絵・木川りか著 2005年±5±10±20**±40**脆弱度 高なし~微小なし~小小~甚大甚大脆弱度 中なしなし~微小なし~小小~甚大脆弱度 低なしなしなし~微小なし~小温度・湿度の変動幅資料の脆弱度*に応じた損傷程度の評価 ●羊皮紙に描いた厚手の絵、紙や布に油や樹脂で描いた厚手の絵、 中程度に脆弱な資料のうちで紫外線や化学物質で傷んだ物 高●ほとんどの焼付写真、ネガおよびフィルム、ほとんどの磁気記録媒体●ほとんどの油彩画、羊皮紙に書かれたインクで 薄くしっかりついたもの、紙に描かれたガッシュ、 上質皮紙と(または)木でできた本の装丁中●ほとんどの一枚紙の印刷、網版、線画、インク画、水彩画など●ほとんどのハードカバーの本・CD低*脆弱度による資料の分類**温度30℃、相対湿度75%をいずれも超えない範囲での変動中期保存感光層フィルムベースの種類相対湿度(%RH)最高許容温度マイクロフィルム一般的フィルム銀・ゼラチン銀・ゼラチン熱現像銀銀・ゼラチン銀・ゼラチンカラーフィルムカラーフィルムジアゾフィルムジアゾフィルムベシキュラー電子写真光可塑性セルロースエステルポリエステルポリエステルセルロースエステルポリエステルセルロースエステルポリエステルセルロースエステルポリエステルポリエステルポリエステルポリエステル15~6030~6015~6015~6030~6015~3025~3015~5015~5015~6015~6015~60252525252510101025252525ISO18911:2000(JIS K 7641:2008『写真-現像処理済み安全写真フィルム-保存方法』)技術資料100%RH55~65%RH50~65%RH50~55%RH45~55%RH45%RH以下30%RH499KONGO FACILITY PLANNING

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